ヴィダルサスーン認定インストラクターの時代

大手美容メーカーからの一通の手紙が始まりでした。
「ロンドンのヴィダルサスーンが、世界で初めて認定インストラクターを選出する為のテストを東京で行います。カットモデル三名とコンポジットを用意して指定日時におこしください。」
カットモデル三名を連れて審査会場に行くと、そこには歴代のコンテスト優勝者と上位入賞者。錚々たるメンバーでした。優勝歴のある僕も関係なくテストを受けないといけないのです。
審査員はデビー• G。まずは、ヘアカットのテストでした。カットするモデルは自分が用意したモデルではなく、別の受験者が用意したモデルをカットするという厳しいテストでした。正直なところ、自分が用意したモデルであれば、事前に骨格、毛流、毛質を把握しておけるから大丈夫だなんて高を括ってましたが、そうはいかず、いわゆるぶっつけ本番でどれくらいのレベルがあるかチェックしようとしたのでしょう。受験者に対してクオリティの高さを求めている事が伺えました。
その後の面談には、ヴィダルサスーン哲学について質問されたり、持参したスタイル写真について質問されたりとかなり緊張しました。日頃大切にしてる事って何?と聞かれて欧米人になんて答えればいいんだろうと、とっさに自分が大切にしてる言葉で「honest(誠実)」って答えたら、テストの最後の総評のコメントの際に、全員の前で「私は、ある受験者から誠実という、大切な言葉を聞かされました。」と言われ、世界は一つなんだと思いとても感動しました。
テストも無事終了し、お陰様でテストも合格しましたが、後に歴代優勝者のなかには不合格になった者もいたという事を聞き、今回のテストの厳しさを改めて実感しました。
次は、ヴィダルサスーン認定インストラクター育成学校について、お話しようと思います。
福田 昌志